早稲田大学人間科学部の学生生活てどんな感じなの?|卒業生が語るいいところ残念(ダメ)なところ慶應義塾大学SFCとの比較もあるよ

私は早稲田大学人間科学部2008年卒業で卒業してから13年が経ちました。

しかし、未だに卒業学部が人間科学部というと何してたの?と不思議そうに聞かれます。

そこで今回は早稲田大学人間科学部について私の知る範囲で記述させていただきたいと思います。

早稲田大学人間科学部とは?

早稲田大学人間科学部は本日時点(2021年)で人間環境科学科、人間情報科学科、健康福祉科学科の3つの学科から成り立っています。

また、人間科学部のホームページには以下のような記述があります。

文理融合のバランスのとれた学びの追究と、自らが具体的に問題を見い出し解決を図ることができる問題解決能力に優れた人材の育成を目指しています。 多彩な学問領域に触れることにより、幅広い知識を持ちながら、専門性を深く極めていくことが可能な学部です。

これを噛み砕いていくと授業が文系入試で入っても理系科目があるし、理系で入っても文系科目があるよということです。

学習カリキュラムは?

基礎演習

一年生の時に3学科共通で必修がありました。まずは基礎演習という科目で前期のみですがこれがクラスとなります。基礎演習とは20人ほどのクラスで、大学で必要なレポートの書き方を教授が指導して毎回数人が自分で決めたテーマを発表するというものです。私の所属した基礎演習のクラスは産業社会学の教授が担当しており、1回でも遅刻すると単位を与えないという厳しい方でした。ホームページを見るとこちらは現在は名前が人間科学基礎科目と名前が変わって充実した内容になっているようです。

統計学

統計学も前期後期の4単位が必修でした。統計学は特に心理学の専攻の方はアンケートを取ってそれを統計的に処理するので必要になります。しかし、この統計学がなかなかキツくまた理系と文系に分けられており理系の統計学はかなりハイレベルで単位を落とす人が続出します。文系の統計学はそこまでハイレベルではないものの数学を全くやってこなかった人間にはなんじゃそりゃという内容です。こちらもホームページを見ると現在は科目名がデータリテラシーと変わっているようです。

語学

語学については一年生の時のみ英語と第二外国語が必修でした。特に面白いのは英語がテキストがなくてジャパンタイムスを読ませるという授業でかつ毎回DUOという単語帳から単語テストが行われるということです。いまさらDUOかよと思われますが結構忘れていて大変です。また英語のクラスは最初にTOEICを受験させられてそれでレベル別に分けられます。
また、私のころはチュートリアルイングリッシュという英会話教室のような授業がありアメリカ人のネイティブと週2回会話を行いました。

コンピュータシステム入門とプログラミング

必修ではないのですが人間情報科学科の人はコンピュータシステム入門というUNIXのコマンドの授業とプログラミングⅠとⅡはほぼ全員受けていました。私の時代はプログラミング言語はJAVAの一択しでした。私は人間環境科学科だったのですがコンピュータシステム入門とプログラミングⅠは単位を取りました。プログラミングⅡに関してオブジェクト指向の分野で当時の私には訳がわからなかったので落としてしまいました。私の時代は全員Macbookの購入が必要でした。今はどうなのでしょう?現在はこちらも名前が変わっているかもしれません。

実験調査研究法

次に2年では実験調査研究という授業を4単位(半期ものを2つ)取得する必要がありました。実験調査研究法は1年生の基礎演習をさらに発展させたような内容で教授の指導のもと周辺の地域の家々を回って調査したり、班を組んでレポートを書いたりします。

一般の授業

正直、授業は他大学で言えば一般教養のような内容が多いです。ただ、環境と心理学は専門科目に近い内容があったように思います。情報は元SEの私からするとどれも専門というには物足りないかなという感じです。ただ、ズブの素人には少しレベルが高いかなという中途半端な感じがしました。ITパスポートくらいの知識を体系的に学べる基礎科目があっても良いのではないかな〜なんて思いましたが、今はどうなのかホームページには具体的な記載はないようでした。また、私の頃はなかったのですが基礎科目と発展科目という分類ができているようですね。

ゼミ

人間科学部ではゼミに入ることと卒業研究が必須です。私は人間環境科学科ではありましたが健康福祉科学科の健康福祉産業論のゼミに入りました。ゼミに関しては教授ごとに熱心さも違いまっし、厳しさも違うように思います。私のゼミでは3年生では早稲田ベンチャーフォーラムというビジネスコンテストに参加することと国際ロボット展というロボットの展示会に出展することが主な内容でした。結構ハードだったと思いますが、教授は民間企業出身で面倒見が良かったです。就職活動でも教授には模擬面接をしていただいたりエントリーシートを見てもらったりと本当にお世話になりました。4年生になると卒業論文を書いていきます。私は地域の産業を発展させたいという思いがあったので熊本県人吉市のグリーンツーリズム参加し、そこで出会った集落営農という手法について文献等からデータを拾い人吉市でのフィールドワークの内容をまとめて九州農政局にインタビューを行いました。さらに野菜をネットを通じて販売するというビジネスプランを考えて(もうちょっとテクニカルな内容ですが)書き上げました。字数にして15万字を超えていたと思います。毎日早稲田の本キャンの図書館地下の書庫にこもって文献を漁っていたのが懐かしいです。ただ、教授の研究とは全く関係ない内容だったので寛容だなと今になって思います。

どんな人がいるの?どこに住んでいるの?

正直第一志望で早稲田大学人間科学部に進学した人は少ないように思います。早稲田にどうしても行きたかった本キャン学部落ちの人や大阪大学人間科学部落ちの人、京都大学総合人間学部落ちの人が多かった印象です。また、東大落ちの人も少数おりました。ただ、たまに記念受験のつもりで受かったという人もいます。他にも理工学部に受かっていたり教育学部に受かっているのに人間科学部を選択した人もいました。
また、地方の人が多く西武線西所沢駅、所沢駅、航空公園駅周辺に多くの人は住んでおりました。

キャンパスの場所と雰囲気は?

早稲田大学人間科学部があるのは埼玉県所沢市です。ただ、所沢の真ん中にあるのではなく西武池袋線の小手指駅という駅からバスで20分の山を切り開いて作られたキャンパスです。
一度友達と駅まで歩いていこうということになりましたがまさかの1時間半かかりました。
雰囲気は大変のどこかですし、有名スポーツ選手や芸能人もいるので見かけた時はテンションが上がります。

また、食堂も充実していて当時は学食の中に牛丼の松屋もありました。生協は少し小さめで本の数は少なかったように思います。

図書館はキャンパスにしてはまあまあの広さがありますが人間科学に関する本がほとんどで法学や経済学などの専門書を読みたいときは早稲田キャンパス(通称本キャン)へ行かなければなりません。

パソコン室は人数の割にはパソコン数が少なかったことを覚えています。いつもいっぱいでした。

教室は大教室が2つ、ホールと兼用の教室が1つであとは小さい教室がほとんどでした。

所沢キャンパスのサークル事情

所沢キャンパスにはサークルがありますが運動系のサークルはガチです。本当に早稲田大学の中でも有数の強さを誇ります。私は野球サークルに入りたかったもののプレイのレベルに自信がなかったため本キャンのゆるめのサークルに入りました。所沢から本キャンのサークルに入っている人もかなりの数います。所沢キャンパスでは文科系のサークルも映画サークルや環境問題を研究するサークルなどまじめなものが多かったと思います。おすすめは所沢のサークルと本キャンのサークルを掛け持ちすることです。本キャンにも所沢にも友達ができて充実した学生生活が送れると思います。私は本キャンのサークルのみだったので逆に所沢キャンパスの知り合いが少ないという逆転現象が起きました。
また、本キャンのサークルに入ることに関してですが、本キャンの人から最初は「わざわざ遠い所大変だね」みたいに言われますが慣れてしまえば何も言われません。私は本キャンの野球サークルの幹事長までしましたのでご心配なく。

人間科学部の就職事情

人間科学部に入ったら早稲田大学として企業から見てもらえないのではないかという心配をされる方がいるかもしれませんがそんなことはありません。れっきとした早稲田大学生として採用活動してもらえます。正直、個人の努力次第ですが就職実績は他学部に引けは取らないと思います。また、ゼミが熱心な教授にあたればエントリーシートを添削してくれたり、面接の練習をしてくれたりもします。私の代で最も良い就職先は経済産業省に国家一種で受かっていました。私も日本で一番大きな情報通信会社に就職することができました。入社後も早稲田出身として扱われました。

人間科学部の残念な所、いい所

人間科学部の残念(ダメ)な所

正直私は人間科学部に通ってよかったと思います。政治経済学部や商学部で学ぶことって就職してから会社で教わったり、資格試験で勉強できてしまうことが多いように思います。
しかし、あえて厳しめに残念(ダメ)なところを記述させていただきます。

  • 半期制で教養科目の内容が薄い
    経済学や政治学など人間科学部とは関係ない科目もあるのですが半期制で授業数が少ないためどうしても内容が薄くなってしまいます。
  • ゼミが希望通りにいかないことも
    3年でゼミに入るのですが人気のゼミに集中する傾向にあります。2年生の後期に面談にゼミ訪問を行い面談を行った上で選考されます。実際になかなか希望通りのゼミに行けない人も多くいます。
  • 朝のバスが本当に混む
    小手指駅から所沢キャンパスには専用バスが長蛇の列になります。そして、本当にバスがパンパンに混みます。そして所沢キャンパスに到着してもダッシュで教室まで5分はかかってしまいます。出席を取る授業は厳しいものがあります。
  • 所沢キャンパスが坂だらけ
    所沢キャンパスは丘陵の中にあるため坂が非常に多いです。朝、ダッシュで坂を上ることになり息が上がります。
  • 東伏見キャンパスへ移動が必要
    東伏見キャンパスという所があり必修のチュートリアルイングリッシュなどは移動に40分程度かかる計算になりますので授業の取り方が結構難しくなります。

人間科学部の良い所

正直私は人間科学部が第一志望ではありませんでしたが通ってみて大変良かったと思っています。そこで良い所を上げていこうと思います。

  • 統計学が必修のためデータ分析的思考が身につく
    文理関係なく統計学が必修でした(今は名前変わっているかも)のでデータに関するリテラシーを身に着けることができました。この視点は社会人になってからも役に立ちます。
  • 専門科目が実践的
    心理学だけでも色々な科目がありとても細分化されて実践的です。社会心理学や色彩心理学などはとっつきやすく普段の生活にも役立つものでした。
  • オープン科目で本キャンの授業を取れる
    オープン教育センターという機関が開講するオープン科目という本キャンで行われている全学部が取れる科目があります。これは全体の3分の1くらいは取れました。週に2回くらいは本キャンの日を作らことができます。
  • 文系から理系へ転身も可能
    文系科目で入学したとしても地球環境の科学なら物理学の熱量の計算が必要だったりします。また、人間工学や情報学では理系のアプローチが必要です。つまり、文系であっても努力次第で理系の素地を身につけることができます。実際、私は文系から情報通信会社のSEという理系の転身に近いことを行いました。
  • 理系から文系へ転身も可能
    理系から入学した人が文系に転身する人もいます。環境政策学や心理学、福祉学、教育学など文系のゼミに入ってしまえば理系の人も文系を名乗り就職した人もおりました。具体的には大手証券会社へ就職しておりました。
  • 正直単位取得が楽
    これは大きな声では言えませんが法学部、教育学部に比べると本当に楽です。出欠を取らない授業が多かったり、レポートのみの授業、試験も持ち込み可な授業も多くありました。留年率も他学部に比べると少ないように思いました。(私の実感による)
  • 小じんまりしているからこそ一生の友達ができる
    所沢キャンパスは5000人クラスのキャンパスと小じんまりしていますがその分仲のいい友達ができる可能性が高いと思います。人にもよりますが仲のいい友達を作った人が多い印象があります。
  • 教授との距離が近い
    教授とは一年生の時から基礎演習で関わることができます。研究室は解放している先生も多くいますのでやる気があればゼミが始まる3年の前から研究に取り組む人もいました。バス等で一緒になればフランクに話すこともできるなどとても教授との距離が近いと思います。これのいいところは卒業論文等を書くときに親身になって指導してもらえたり、自分が入りたいゼミに早い時期からアプローチできる点です。
  • 現在の社会課題を学べビジネスにも活きる
    人科で学ぶ環境、健康福祉、情報はまさに現在の世界の課題でありビジネスの種になっているものです。
    私自身、特に健康福祉と情報のアプローチでビジネスを行っていて学生時代に学んだことが直接ビジネスに役立っています。私の父は早稲田大学政治経済学部卒なのですが学生時代に学んだことが社会に出て直接役立った経験はないと言っています。このことから将来、ビジネスを行うためのタネを探したい方にもおすすめの学部です。

 

慶應義塾大学SFCとの違い

早稲田大学の人間科学部と比較されるのが慶應義塾大学のSFCだと思います。特に環境情報学部は重なる部分があるのではないかと思います。私の知り合いで慶應義塾大学のSFC出身の方は1人しかいませんのでその方の話とホームページの情報から違いを独断と偏見で記述したいと思います。

  • 情報は慶應SFCの方に分がありそう
    慶應SFCには日本のインターネットの父ともいわれる村井純先生が教授としていらっしゃいました。そこでカリキュラムや教授陣を見るとIT分野はネットワーク(インターネットの技術)よりの研究がされている印象を得ます。一方人間科学部はネットワークやデータベースと言ったいわゆる情報科学部では定石の研究を専門にされている教授は少ないと思います。逆に音声認識やAIの研究をされている先生はいますので応用研究をされているイメージです。ただ、AIの研究をされている先生は慶應SFCにいると思いますし、情報技術基礎科目が必修でその中にはオブジェクト指向やスクリプト言語も含まれているなどある程度高度な内容になっていますので情報について勉強したいなら慶應義塾大学SFCの方がおすすめかと思います。
  • 人間環境については早稲田人科に分がありそう
    慶應SFCにも人間環境科学部分野があります。しかし、人間環境科学科を専門に持っている早稲田人科のほうが教授陣を一人一人見ていくと充実している印象があります。
  • 健康福祉・心理学分野は早稲田人科に分がありそう
    伝統的に「良く生きる」ことを早稲田はWell-beingで慶應はWellnessといい、この追及が重要なテーマになっています。そんな中で健康福祉や心理学に関しては早稲田人科のほうが教授が充実しているように思います。特に今話題のマインドフルネスで有名な熊野先生が早稲田人科にはいらっしゃいますし、その他にも有名教授が多数いらっしゃいます。
  • 先端分野を研究したいなら慶應SFC
    「先端」というキーワードが環境情報学部のキーワードになっているようですし実際教授陣も先端分野の先生が慶應SFCの方が揃っている印象です。

以上ですがあくまで独断と偏見ですし、少し早稲田人科に甘めにつけてしまったかもしれませんがある程度は当たっているかと思います。

まとめ

早稲田大学人間科学部は正直、早稲田大学の中では下に見られる傾向にあるとは思います。しかし、住めば都!本当に良いキャンパスですし、本キャンのようにごみごみしておらずいい環境で勉学に励めると思います。私が卒業してからだいぶ年月が経っているため変わっているかもしれまんがホームページからわかることは反映しました。もし、少しでも早稲田人間科学部に興味を持ってもらえたら幸いです。

 

 

 

 

 

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